フィレンツェで見逃せないスポットの一つであるウフィツィ美術館には、ルネサンス美術の名画がたくさん展示されています。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッティチェッリ、ラファエロなど巨匠たちの作品を鑑賞した様子をお伝えしますね。展示作品は2500点にのぼり、全て鑑賞するには丸1日必要と言われています。私達も有名作品を中心に鑑賞しましたが、なんと3時間かかりました。
ウフィツィ美術館へ入場
ウフィツィ美術館はコの字型の建物で、1階は写真左のような回廊になっていました。ちょうど訪れた時期は、特別展の開催中だったので入場料は11ユーロでした。※現在は値上がりしており、特別展開催時の入場料は12.50ユーロになっています。美術館の入口は3か所あり、私達は予約なしで訪れたので2番窓口に並びます。事前に予約された方は3番窓口で本チケットに引き換え、1番の予約者用窓口に並びましょう。万が一間違えて並んでしまったら、並び損の悲劇が起こりますので注意してくださいね(笑)
空いている時間を狙って訪れましたが、30分~1時間は行列に並ぶだろうと覚悟していました。…が、しかし!待ち時間ゼロであっさりと入場できました~。私達は予約なしで、6月末の金曜日の13:30頃に訪れました。写真左が2番窓口のチケット売り場で、写真右のディスプレイに入場料が表示されています。
チケットを購入したあとは、荷物のセキュリティチェックを通ります。無事に通過すると、写真左のようなインフォメーションカウンターが見えます。インフォメーションの右横には、オーディオガイドの貸し出しカウンターがあります。デポジットとしてパスポートを預け、6ユーロの1人用タイプを借りてみました。美術館内はトイレが少ないので、この時点で済ませておくのが安心です。
ウフィツィ美術館の見どころ
絵画が展示されているのは3階なので、階段かエレベーターで上がります。3階入口付近では、彫刻作品がお出迎えしてくれます。係員にチケットを見せ、いざ入場!
さっそく目に入ってきたのは彫刻作品です。美術館の長~い廊下には、このような彫刻が等間隔に多数展示されていました。
第1室から第45室まであるので、順番に部屋を回っていきます。どちらも第2室に展示されていた作品で「十字架上のキリストと受難の場面」が描かれ、写真左が6場面、右が8場面です。
第2室は13世紀の絵画の部屋で、素朴な印象の作品が多かったです。写真右上の2作品は同じ題材のようで、聖母と膝に抱えたキリストでしょうか?
またジョット、ドゥッチョ、チマブーエ作それぞれの「マエスタ(玉座の聖母子)」が並べられています。写真はジョット作のマエスタで、3作品を比較できるのが面白いですね。
さっくり見学していても、中々先へ進まないのでスピードアップ!第8室に移動してきました。必見作品の一つであるフィリッポ・リッピ作「聖母子と二天使」です。スキャンダラスな修道士だったリッピの最高傑作で、彼の恋人と息子をモデルに描かれたと言われています。
こちらも同じくフィリッポ・リッピ作の「聖母載冠」です。
第8室の真ん中に置かれていたのが、ピエロ・デッラ・フランチェスカ作「ウルビーノ公夫妻の肖像」です。彼は理論的な遠近法の達人で、真横を向いた人物画が印象的でした。
続いては一番混んでいた、第10-14室へ移動します。こちらはウフィツィ美術館で一番の見どころではないでしょうか?教科書でもおなじみの、ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」です!!愛と美の象徴であるヴィーナスが海から誕生し、風の神が花を蒔きながら祝福、時の神が生まれたばかりのヴィーナスにガウンを掛けるという場面です。
同じくボッティチェッリ作の「春(プリマヴェーラ)」です。ヴィーナスを中心にローマ神話の神が集まり、春の訪れを祝うという場面です。こちらも一度は見たことがありますよね。なんだか幸せな気持ちになれる絵画でした。
こちらはフーゴー・ファン・デル・グース作の「ポルティナーリ祭壇画」です。
続いて第15室に移動します。アンドレア・デル・ヴェロッキオと弟子レオナルド・ダ・ヴィンチの共作「キリストの洗礼」です。若きダヴィンチは背景や天使を描いたと言われています。
こちらはレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「受胎告知」です。大天使ガブリエルが聖母マリアに、神の子イエスを宿していると告げる静粛な場面です。ダヴィンチのデビュー作であり、聖母マリアの複雑な表情が印象的でした。
八角形の形をした第18室は、「トリブーナ、メディチ家秀作コレクション」の部屋です。当時はコレクションの中でも、最も貴重な作品がこの部屋に収められていたそうです。
第20~23室にかけては、見事な天井画の部屋が続きます。
第23室には、アンドレア・マンテーニャ作「マギの礼拝」がありました。
第24室はたくさんの細密画が飾られている「ミニアチュールの間」です。この部屋が第1廊下最後の部屋になりますので、第3廊下に移動します。
廊下を歩いていると「ヴェッキオ橋」が見えました。ヴェッキオ橋付近は明日訪れますよ~!
第3廊下に着くと、このような案内が出ていました。”改修工事中のため、第25-32室は閉鎖されている。第3-7室で展示されていた作品は、第43-45室で見ることができます。第35室は「ミケランジェロの間」になっている。”とのことです。第25-32室にあるラファエロやティツィアーノの作品は見られないのか…とこの時はガッカリしたのですが、実は2階廊下で展示されていました。
それでは第35室に行ってみます!本来なら第25室に展示のミケランジェロ作「聖家族」です。幼児キリスト、聖母マリア、聖ヨセフと背景には洗礼者ヨハネが描かれています。ミケランジェロが残したパネル画の中で、唯一完成している貴重な作品です。やはり肉体美を追及したのでしょうか?筋肉質なマリアとイエスがやけに印象に残りました。
続いては第36-40室です。階段ホールにまで絵画や彫刻が展示されていましたよ~。
次の第42室は「ニオベの間」で、縦に長い部屋でした。ギリシャ神話に登場するニオベは、子沢山の自慢をしたばっかりに子供たち全員を殺されてしまった可哀想な母です。そのニオベと子供たちの彫刻が飾られている、とても豪華な内装の部屋です。
第43-45室には、本来なら第3-7室で展示されている作品がありました。こちらは第4室にあった、ジョッティーノ作「ピエタ」です。
こちらも第5室にあった、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ作「東方三賢王の礼拝」です。
第7室にあった、パオロ・ウッチェロ作「サン・ロマーノの戦い」です。これで3階にある第1室から第45室まで、全て鑑賞し終えました!
第3廊下の突き当たりには、このような彫刻と眺めの良いカフェテラスがありました。カフェテラスの先には階段があるので、ここから2階へ下ります。
2階では改修工事中の第25-32室の作品と、特別展の作品が展示されていました!こちらはブロンズィーノ作の「聖家族と幼児聖ヨハネ(パンチャーティキの聖家族)」です。
聖母マリア、幼児キリストとヨハネが描かれている、ラファエロ作「ひわの聖母」です。ヨハネが手にしているのは、受難を象徴する鳥「ひわ」で、これから待ち構える運命を暗示しています。一見すると穏やかな絵ですが、実は恐ろしさも秘められている作品なんですね。
こちらは20代前半のラファエロ作「自画像」です。神経質そうな雰囲気ですが、恋多き男だっただけになかなかのイケメンですね(笑)
続いてはティツィアーノ作の「ウルビーノのヴィーナス」です。愛の象徴であるバラを手に持ち、微笑みを浮かべ横たわるヴィーナスはとてもセクシーでした。
マニエリスムを代表する作品の一つである、パルミジャニーノ作「長い首の聖母」です。聖母マリアの首が長く、幼いキリストもやたらと巨大児化しています。構成も左寄りで、後ろにいる小人おじさんも気になるし、なんだかとても奇妙な作品に感じました。
こちらは、カラヴァッジオ作「メドゥーサの頭部」です。頭の上は蛇で覆われ、首からは血が滴りとてもグロテスク…写真では分かりづらいかもしれませんがキャンバス画ではなく、円形の盾に描かれている面白い作品でした。
こちらが最後の作品となる、カラヴァッジオ作の「イサクの犠牲」です!あっという間の3時間だったのですが、さすがに立ちっぱなしだったので疲れました。美術館全体をまんべんなく鑑賞しましたが、まだまだ見れなかった作品もあります。最低でも2時間の見学時間は必要だなと感じました。
1階へ下りると出口付近には関連グッズを扱う、ミュージアムショップがあります。皆さんもフィレンツェを訪れたら、ぜひウフィツィ美術館へ行ってみてください。