続いては、ローマにある世界一面積の小さい国家バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂に入場します。キリスト教の最大宗派であるカトリックの総本山で、世界中から信者が参拝に訪れる地です。4世紀頃に建てられたのが始まりで、16~17世紀にかけてラファエロやミケランジェロなどルネサンス期の芸術家が改築に関わり、現在の荘厳な姿に生まれ変わりました。キリストの一番弟子であり、初代ローマ教皇の聖ペトロを祀った神聖な教会ですから、見学の際にはいくつか注意点があります。
サン・ピエトロ大聖堂について
開館時間
4~9月 7:00~19:00
10~3月 7:00~18:30
休館日
日曜ミサ、宗教行事日
入場料
大聖堂:無料
クーポラ:8ユーロ(階段利用)、10ユーロ(エレベーター利用)
サン・ピエトロ大聖堂の入場レポート
大聖堂へ入るには正面入口ではなく、広場の右手にあるこちらの場所から入場します。まずはここで、荷物とボディのセキュリティチェックを受ける必要があります。傘やペットボトルはOKですが、刃物類は持ち込み禁止です。
神聖な場所ですから禁止事項を守り、静粛に見学しましょう。露出が多い服装・帽子着用・三脚・飲食・喫煙・携帯通話・ペット同伴・大型荷物の持ち込みは禁止されています。大聖堂内部は撮影が許可(フラッシュ撮影も可)されていますが、三脚の使用は禁止です。リュックやスーツケース、ベビーカーなどの大きな荷物はクロークに預けましょう。一番注意してほしいのが服装で、肩とひざが露出している服(キャミソールやタンクトップ、短パンやミニスカートなど)は入場を断られる可能性があります。
順路通りに進むと、サン・ピエトロ大聖堂が間近に見えてきました!この大聖堂左側の階段付近で服装チェックが行われます。私達が訪れた時はショートパンツとタンクトップ姿のお姉様が入場を断られていましたから、皆さんも気を付けてくださいね~。
ファサードにはキリストと洗礼者ヨハネ、ペトロ以外の11人の使徒の像が並んでいます。
大聖堂前には2体の石像が立っており、左側のキリストに授けられた天国の鍵を持っているのが聖ペトロです。右側は聖パウロで、首をはねられて殉教したので剣を持っています。
それでは、こちらのアーチをくぐって入場しましょう!
アーチをくぐるとまず5つの扉がある、アトリウム(前室)があります。向かって左から順に「死の扉」「善と悪の扉」「中央扉」「秘蹟の扉」「聖年の扉」です。
こちらは中央扉の「フィラレーテの扉」です。一番右にある聖年の扉は、25年に一度(次回は2025年!)の聖年と言われる年に開かれます。この扉を含め4大聖堂の聖年の扉を全てくぐると、罪の償いが許されるそうです。
アトリウムを見上げると、天井や壁には黄金に輝く繊細な装飾がぎっしりと施されています。その中でも有名なのがこちらのモザイク画、ジョット作「小舟」です。
それでは、いよいよ大聖堂内に入場します。最初に目に飛び込んできたのがこの身廊です。身廊の長さはなんと約186mもあり、天井が高いのでとても開放的ですね~。大体の観光客は聖堂内を反時計回りに見学しているので、同じ方向に進むのがおすすめです。
流れに乗って右方向に進むと、もの凄い人だかりが出来ている場所があります。人混みをかき分けてやっと近づけたのが、ミケランジェロ作「ピエタ像」です。十字架から降ろされたイエスの亡骸を胸に抱き、悲しみの表情を浮かべる聖母マリア像です。マリアの胸元にはミケランジェロのサインが刻まれており、彼のサインが残る唯一の作品でもあります。若干24歳でこの作品を完成させたというから驚きですよね!
柱や壁には豪華な装飾が施されており、どの方向を見ても目がチカチカします(笑)大聖堂内には石像が何百体もあり、歴代教皇の墓碑や祭壇画も紹介しきれないほどあるので主要ポイントだけ紹介していきますね。
そのまま右廊を進むと、サン・セバスティアーノ礼拝堂のモザイク画「聖セバスティアヌスの殉教」があります。その次にはカーテンで閉じられているサクラメント礼拝堂があるのですが、静かにお祈りするだけなら観光客でも入れました。
その次に「教皇グレゴリウス13世の墓碑」があります。現在世界中で広く用いられている「グレゴリオ暦」を採用したのが、こちらのローマ教皇グレゴリウス13世です。1582年まで用いられていたユリウス暦では毎年暦が少しづつズレて、累積して10日もズレが生じていました。この問題を解決すべく、より精度の高いグレゴリオ暦が発案されたのです。
その隣には祭壇画、ドメニキーノ作「聖ヒエロニムスの聖体拝領」があります。
中央の身廊に戻ると、右手には何やら行列が出来ています。大聖堂の由来となり、キリストの一番弟子で初代ローマ教皇でもある「聖ペトロ像」です。行列はペトロ像の足に触ったりキスをして、祈りを捧げるためのものでした。私もご利益があるかなと思って触ってきましたが、両足ともかなりすり減っていました。
大聖堂内で一番の見どころなのが、ベルニーニ作の大天蓋(パルダッキーノ)です!この巨大なブロンズ製の天蓋の真下には、聖ペトロの墓があります。見事な装飾なのですが、ねじれた柱や台座のモチーフはけっこう奇抜なデザインでした。
大天蓋の真上を見上げると、ミケランジェロ作の大円蓋(クーポラ)があります。円形の内側は黄金の聖人モザイクで、これまたド派手に装飾されていますね~。高さは約138mあり、太陽の光が取り込まれとても神秘的な雰囲気でした。
聖堂の一番奥「後陣」と呼ばれる場所にあるのが、ベルニーニ作「聖ペトロの司教座」です。教皇だけが腰掛けることができ、黄金の装飾と上部には鳩のステンドグラスが輝いています。中央の椅子は、神学の基礎を築いた4人の博士たちによって支えられています。
クーポラを支える4本の柱にはそれぞれ聖人像が立ち、左手前の柱には「聖アンデレ像」があります。この像の真下には、歴代教皇が眠る「地下墓所への入口」があります。地下墓所はひんやりとしており、想像以上に巨大な空間で厳粛な雰囲気でした。さすがにお墓を撮影するのはためらわれたので、写真はありません。
続いて左廊を歩いていくと、ベルニーニ作「教皇アレクサンデル7世の墓碑」があります。赤大理石のドレープが上がって、その向こうに扉があるように見える装飾がされています。ベルニーニは、このような舞台効果を狙った手法が得意な芸術家でした。
その次は、長い歴史をかけて収集された美術品が展示されている宝物殿の入口があります。営業時間は8:00~18:40、入場料7ユーロ、日本語オーディオガイドは3ユーロです。
内陣席の礼拝堂は中に入れませんが、鉄柵越しに祭壇を見ることはできます。ピエトロ・ビアンキ作「無原罪の御宿り」、柵の間にカメラを突っ込んで撮影しました(笑)
出口付近にある洗礼礼拝堂の祭壇画、カルロ・マラッタ作「キリストの洗礼」です。
大聖堂の天井には小さなクーポラがいくつもあり、こちらはそのうちの一つです。他にも紹介しきれないほどの芸術品があり、これほど豪華で荘厳な教会は初めて見ました。皆さんもサン・ピエトロ大聖堂を訪れて、歴史の重みと神聖な雰囲気を感じみてください!
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